【 飲食店の就業規則サンプル 】
今回は、従業員の区分を整理し、誰にどの規定を適用するのかを明確にする条文例を、そのポイントとあわせてご紹介します。
003:従業員の定義及び区分
条文例
第○条(従業員の定義及び区分)
1 従業員とは、会社が採用手続を経て雇い入れたすべての者をいい、区分は次のとおりとする。
(1)正社員期間の定めのない労働契約により採用され、所定労働時間(第○条に定める時間)を勤務し、かつ勤務地及び職務内容について原則として限定なく基幹的業務に従事する者
(2)短時間正社員期間の定めのない労働契約により採用され、1週間の所定労働時間が正社員の所定労働時間より短く、かつ勤務地及び職務内容について原則として限定なく基幹的業務に従事する者
(3)限定正社員期間の定めのない労働契約により採用され、勤務地又は職務内容のいずれかについて個別の労働契約において明示的な限定を付された者
(4)有期契約社員期間を定めた労働契約により採用され、1週間の所定労働時間が正社員の所定労働時間と同一である者。なお、有期契約社員として雇用されていた者で、期間の定めのない労働契約に転換した者を「無期契約社員」という。
(5)パートタイマー期間を定めた労働契約により採用され、1週間の所定労働時間が正社員の所定労働時間より短い者。なお、パートタイマーとして雇用されていた者で、期間の定めのない労働契約に転換した者を「無期パートタイマー」という。
(6)再雇用契約社員定年退職後、期間を定めた労働契約により再雇用され、1週間の所定労働時間が正社員の所定労働時間と同一である者
(7)再雇用パートタイマー定年退職後、期間を定めた労働契約により再雇用され、1週間の所定労働時間が正社員の所定労働時間より短い者
2 本規則において「契約社員」とは、有期契約社員、無期契約社員、パートタイマー、無期パートタイマー、再雇用契約社員及び再雇用パートタイマーを総称する。
この条文のポイント
1 懸念 大まかな雇用区分だけでは、実際の働き方を整理しきれない
就業規則では、従業員区分を「正社員」「契約社員」「パートタイマー」など、大まかに定めていることがあります。
しかし、飲食店では、短時間で働く正社員、勤務地や職務を限定した正社員、定年後の再雇用者など、実際の働き方がこのような大まかな区分だけでは整理しきれないことがあります。
例えば、正社員より所定労働時間は短いものの、期間の定めなく基幹的業務に従事する従業員を、単に「パートタイマー」と扱ってよいのか。定年後に再雇用した従業員を、一般の有期契約社員と同じ区分にしてよいのか。こうした中間的な働き方があると、どの区分に該当するのかが分かりにくくなります。
その結果、後の条文で「正社員」「契約社員」「パートタイマー」など区分ごとに異なる取扱いを定めた際に、どの規定を適用すべきか判断しにくくなるおそれがあります。
2 改善 雇用区分を整理し、重複や漏れが生じないようにする
会社で想定される雇用形態をあらかじめ整理し、それぞれの区分がどのような従業員を指すのかを明確にします。
本条では、契約期間、1週間の所定労働時間、勤務地・職務内容の限定の有無、定年後再雇用であるかといった客観的な条件によって従業員区分を整理します。
また、複数の区分に同時に該当するような定義をできる限り避け、「この条件で働く従業員はこの区分」と判断できるようにしておくことが重要です。
3 結果 誰にどの規定を適用するのかが分かりやすくなる
従業員区分を明確にしておくことで、採用時や労働条件を変更するときに、その従業員がどの区分に該当するのかを確認しやすくなります。
また、就業規則の各条文について、誰に適用される規定なのかを判断しやすくなり、雇用形態の違いによる取扱いの混乱を防ぐことにつながります。
従業員自身にとっても、自分がどの区分に属し、どのようなルールや労働条件が適用されるのかを理解しやすくなります。
4 補足
必要な従業員区分は、会社の雇用実態によって異なります。
例えば、勤務地や職務を限定した正社員を採用していない会社であれば「限定正社員」の区分は不要ですし、短時間正社員制度を設けていない会社であれば「短時間正社員」を定める必要はありません。
反対に、会社独自の雇用区分がある場合には、その区分を追加することも考えられます。
モデル規則に示した区分をそのまますべて設けるのではなく、実際に採用している雇用形態や今後予定している働き方に合わせて調整することが必要です。
自社の就業規則の見直しや、飲食店に合わせた就業規則の作成・改定をご検討の方は、料金案内をご覧ください。
※本サンプルは一例です。各社の実情やお考えに合わせて調整のうえ、ご活用いただけます。ご利用にあたっては、各社の責任においてお願いいたします。
小さなお悩みでも、
今後に向けてのご相談でも、
気兼ねなくお声かけください。